第579回まったくいい所なし

第579回の出来事

普段他の人の部活はあまり気にしないのと

そもそも部活については自分がなった奴にしか把握していないのですが...

生存者コメントにてディベート部に気を付けた方がいいとの発言があったので調べると

平和主義を初期に持っているとは...!

殴で今回はプレイしていたので

ディベート部にそんな力がッ!!

友達を言論で惑わそうなんてッ!!

俺の拳で黙らせてやるヨオォッ!!

と意気込んでいましたが

 三日目の出来事である

1ダメが限界なんだけど

「ただいま」

玄関から父ちゃんの声が聞こえてくる。日に日に弱々しくなっていく声が

最初は帰ってくるだけで僕は大喜びだった。

父ちゃんがいない間は不安で一人で泣いて会いに行きたくて

けれど毎日父ちゃんが生き延びて帰ってきて

僕の父ちゃんはすごいんだと誇らしくなって嬉しくなった。

でも...。

「タカ...ごめんなぁ父さん今日も1ダメージが限界だったよ...」

告げられる内容は同じなのに今にも倒れてしまいそうな声で。

「もう6日目なのに1ダメージしか与えれない情けない父さんでごめんな...」

父ちゃんは僕に何も悪い事してないのに謝ってくる。

いつからだろう父ちゃんが帰ってきて嬉しくないのは

誇らしくないのは

不安が消えないのは

目の前にいるのに消えると錯覚するのは。

「スキルはてんでダメで、熟練度、戦闘力、Lvも全然上がらない、
 そして市場は何も買ってくれない買うお金もない」

「父さんはこのゲーム向いてないらしい...」

「おっとこの事に限ったことじゃないな、
 父さん色んな所で失敗してきたからなぁ...あはは...」

父ちゃんが笑う、笑っているのに

なんで僕はこんなに悲しいんだろう...。

謎の焦燥感に駆られる。

なにかしなければもう父ちゃんは帰ってこないんじゃ?
もういなくなってしまうんじゃないかと。

なんとかしないと...
僕が父ちゃんになにかしてあげないと!

父ちゃんが消えちゃう!
でもどうすれば...?

僕が

僕が!

僕がッ!!

「僕がッ!!代わりにこのプログラムに登録するッ!熟練度を上げてやるッ!
 戦闘力だって上げるッ!Lvもたくさん上げるッ!
 覚醒も覚えて敵をなぎ倒すんだッ!」

目頭が熱くなる

涙が溢れて

ぽつぽつと零れるてくる。

「僕がかならず優勝するッ!頑張って戦ってきた
 尊敬する父ちゃんの息子だ!って叫んでやるんだッ!!」

涙が止まらない...

恥ずかしいのに泣きたくないのに、

止めどなく溢れてきて自分じゃコントロールできなかった。

「うぅ..あぁ..タカ...タカッ!..」

父ちゃんがしゃがみ込んで、ギュッと僕の体を包み込んでくる。
少し痛かったけど、とても久しぶりだった
父ちゃんの存在がそこにあるとはっきり感じるのは...。

「タカッ!俺は諦めてたッ!弱気になってたッ!1ダメージしか出せなくて、
 熟練度が低いだけなのにッ!父ちゃんはここまで生き延びてきのにッ!」

抱きしめられて暖かいのに肩が少しひんやりとして濡れている。
もしかしてと思い顔をみると、父ちゃんも泣いていた。
顔がしわくちゃだった。泣いているのに気づいて僕も、もっと涙が滝のように流れてくる。

でももう悲しくなくなった。

「タカ...息子にここまで言われるのは俺は親失格だ!でもッ!」

父ちゃんの体に目に覇気が戻ったから。

「父さん頑張るからッ!生き延びて、絶対優勝するからッ!」

父ちゃん存在が確かなものとなったから。



どれだけ時間が経ったんだろうかどれだけ泣いたのだろうか。

父ちゃんが少し笑いながら話始める。

「そう言えばタカ、覚醒でバッタバッタ倒すのは難しんだぞ~、
 自分にも食らうダメージがでかくなるからなそんなの覚えたら心配だよ。
 それよりも漢字を覚えなさい父さんが絶対優勝してみせるから」

「そんな事知ってるよ!まったく僕もいろいろ勉強してるんだから。
 それに大きいダメージを受けても精神力がその分回復するんだよ。
 僕だってもう戦う知識はあるんだ!なんだったら今からでも無理に登録して..」

そう言い切ろうとしたら。
父ちゃんがいきなり近づいて両肩に手を置き、
先ほどまでの笑みが消え、声が少し低くなり僕の目をじっと見つめて
言い聞かせるように喋った。

「タカ..このプログラムに登録しちゃダメだ。お前は俺と違って、
 要領が良くて若さという可能性に満ち溢れている。
 こんな所で命を懸ける歳ではないし永遠にその必要はない」

父ちゃんのこの雰囲気まるであの人達が来た時みたいだ。
僕の身体が少し強張ってしまう。

「大丈夫!父さんは攻略法を思いついたのさ。逃げて逃げまくって
 最後まで生き残って消耗してる敵に対して、
 連続1ダメージを叩き込むっていう策を!だからお前は登録しなくていい」

「う、うん...」

先ほどまでとは違い父ちゃんは穏やで明るい雰囲気で話始める。

「まぁそう不安になるなって
 父さんここまで生き延びて来たんだから自信はあるぞ..
 っと、こうしちゃいられない今から出掛けてくる」

何かを思い出したようにそう言いながら、
鼻息をフンスと鳴らして『やる気が出てきたからな』と呟く。
一連の流れを聞いて父ちゃんが変な事を言っている事に気がつく。

「あれ?もうスタミナがないから帰ってきたんじゃ...」

もう行動できないから家に帰宅したはず、当然の疑問を僕は口にする。

「コイツを出雲で拾ったんだ。本当は墓場に持って行こうとしたんだがな、
 ここで使うことにするよ」

ガサゴソと所持品を少しまさぐると、
温泉まんじゅうを取り出し4個も一気に頬張りはじめた。

「本当は余裕があるならお前にあげたかったけど、
 優勝出来なくなるかもしれないからな...」

「ううん、全然平気だよ」

父ちゃんが帰ってこないより全然ましだから。

温泉まんじゅうを食べ終え父ちゃんが玄関へと移動する。
僕は少しでも一緒に居たくてついて行く。

「それじゃ行ってくる。すごい武器とか見つけたりLvを上げたり
 少しでも勝つ可能性上げてくる。たぶんすぐ帰ってくるよ」

「うん、行ってらっしゃい」

「行ってきます...」

父ちゃんが僕に少し頭を撫で笑顔を向けると歩き始める。

いつも通り背中が見えなくなるまで見送ろうとしていたら。

「絶対に息子をこのプログラムに登録させない...」

小さくはっきりは聞き取れなかったけど、父ちゃんが何かを呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「5番...つまり君の父親は死にました」

 


「....あっ....えっ....」

「刺系武器による“惨殺”が死因なので、至る所に深く穴が空くほどの傷があり、
 臓物が飛び出していて袋に入れるのは大変でした」

そう言い終えると赤く滲んだズタ袋から、色んな所に赤い線が走って
身動ぎもしない人型を引っ張りだし投げ込まれる。

あれは死体だ。

「死体の取り扱いは家族である息子のあなたに責任が生じます」

――死体が放り込まれてくる

この人達は知っている。プログラム初日に家にやって来た政府軍の人達だ。

――死体が玄関に侵入してくる

最初の日、父ちゃんに首輪を付けていた時に会って以来時々家に来る。父ちゃんが毎回怒鳴って追い返していた。

――死体が玄関に転がる

弾みで周りの壁や床が不細工な色合いになってしまって。

――死体と目が合う

父ちゃんだ。

目が大きく開かれていて口が半開きで涎が垂れていて、
お腹からは土や砂利がついたピンク色の長細い物が飛び出している。

父ちゃんは言った通りすぐ帰って来た。

父ちゃんは言った事を守らなかった、優勝できず帰って来たからだ。

「それでは私達はこれで失礼します」

なんで父ちゃんは死んだんだろう

なんで父ちゃんは死んだんだろう

なんで父ちゃんは死んだんだろう

どうして父ちゃんは死んだんだろう

父ちゃんが死んだのはなんで

なぜ死んでいる?

僕は父ちゃんの頑張りや努力、それといろんな失敗を見てきた。
また失敗してしまった、致命的なまでの失敗を。

3日目ぐらいから父ちゃんは
『自分には向いていない』『才能がない』など呟いていた。
父ちゃんが自分で言うように才能が無かったのだろう。

「おや...あなた覚醒持ちですか...」

才能が無ければ優勝できない、
優勝できなければこのゲームでは価値が無く死を意味する。
そして優勝できるのはたった一人。

「初期所持とは...登録すればかなりいい線行きますよ」

優勝できなければ本当に価値は無いのだろうか。

「あぁ...失敬...いい線では意味ありませんね。
 武器や防具が良ければ優勝は君のものに」

今まで死んだ人達には勝つ程の才能は無かったかもしれない、
けれど別の何処かで実力を発揮できたんじゃないか...?

「まだ心の整理がつかないでしょう。今度こそ失礼させていただきます」

一番にはなれずとも必要とされる存在などにはなっていたのでは...?
それに才能があっても運次第ではたった一回のプログラムで
頂点に立った人以外の可能性が潰れてしまう。
そもそもこれに優勝する価値があるのか...。

座り込み父ちゃんの亡き骸に寄り添い父ちゃんの手を取り、様子を伺う。

身体中の傷口が多くそれぞれが広くて、

細い肉粘膜の糸が頼りなく繋ないで手足が千切れそうになっているけれど。

その対照的に顔は綺麗で、でも苦悶に満ちて不気味に大きく開かれた

もう動く事もない目を見つめる。

現実から目を逸らしたかった。だけどこの眼差しに誓いたい。

あの時の言葉を嘘にしない為、誓わないといけない。

「父ちゃん、僕登録するよ」

父ちゃんは答えなかった。

「優勝の価値は分からないけれど一人しかその頂に到達できないのなら、
 唯一無二のはずだから。僕が唯一無二になればその父親は無意味じゃないよね
 きっと価値があったと証明されるよね」

父ちゃんの目を閉じる。

現実だった 父ちゃんは結局物言わなかった。

逸らしても閉じてもそれが現実だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


さて、どうしよう・・・。

テスト投稿

出来たぞぉぉぉぉぉ!!

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